レイトレーシング
読み: れいとれーしんぐ
カメラから各ピクセルに向けて光線 (レイ) を追跡し、反射・屈折・影を物理的に正確にシミュレーションするレンダリング手法。フォトリアルな画像生成の基盤技術である。
レイトレーシング (ray tracing) は、仮想カメラから画面上の各ピクセルを通過する光線を逆方向に追跡し、光線がシーン内のオブジェクトと交差する点での色を計算するレンダリング手法である。1980 年に Turner Whitted が再帰的レイトレーシングを発表して以来、映画 VFX やプロダクトビジュアライゼーションの標準技術となっている。
- プライマリレイ: カメラからピクセルを通って飛ばす最初の光線。最も近い交差点を見つけ、その表面の色を決定する起点となる
- シャドウレイ: 交差点から光源に向けてレイを飛ばし、途中に遮蔽物があれば影と判定する。ソフトシャドウは光源上の複数点からレイを飛ばして実現する
- 反射・屈折レイ: 鏡面では反射方向に、ガラスや水面では屈折方向 (スネルの法則) に再帰的にレイを追跡する。再帰の深さ (バウンス数) で品質と計算コストが決まる
- パストレーシング: モンテカルロ法でランダムな方向にレイを飛ばし、グローバルイルミネーション (間接光) を物理的に正確に計算する。ノイズ除去にデノイザーが必須
NVIDIA RTX シリーズ (2018 年〜) の RT コアにより、リアルタイムレイトレーシングが実用化された。DirectX Raytracing (DXR) や Vulkan Ray Tracing 拡張を通じて、反射、影、GI をハイブリッドレンダリングで実現する。フル解像度でのパストレーシングは依然として計算負荷が非常に高く、DLSS や FSR によるアップスケーリングとの併用が一般的である。