ノイズ
読み: のいず
画像に含まれる本来の被写体情報とは無関係なランダムな輝度・色の変動。高感度撮影や長時間露光で顕著に発生する。
画像ノイズとは、撮影対象の実際の色や明るさとは無関係に画像中に現れるランダムな変動のことである。フィルム写真における粒状性 (グレイン) に相当し、デジタル画像ではセンサーの物理的特性や電子回路に起因して発生する。ノイズは画像の細部を覆い隠し、知覚的な画質を低下させるが、完全に除去するとディテールも失われるため、ノイズ除去と解像感の維持はトレードオフの関係にある。
- ショットノイズ (光子ノイズ): 光の粒子性に起因する統計的なゆらぎで、ポアソン分布に従う。暗部では到達する光子数が少ないため相対的なゆらぎが大きくなり、ノイズが目立つ。スマートフォンのような小型センサー (1/2.3 インチ) はフルサイズセンサーと比べて 1 ピクセルあたりの受光面積が約 1/30 であり、同じ ISO 感度でもノイズが顕著に多い
- 熱ノイズ (暗電流ノイズ): センサーの温度に比例して発生する電子的なノイズ。30 秒以上の長時間露光や夏場の屋外撮影で顕著になる。天体写真では同じ露光時間でレンズキャップを閉じて撮影したダークフレームを減算することで除去する
- カラーノイズとルミナンスノイズ: カラーノイズは本来存在しない赤や緑の斑点として現れ、ルミナンスノイズは明暗のざらつきとして現れる。Lightroom のノイズリダクションでは「輝度」と「カラー」のスライダーが分離されており、カラーノイズは積極的に除去しても画質への影響が少ない
ノイズ除去の手法は大きく進化している。古典的なガウシアンフィルタやメディアンフィルタはエッジもぼかしてしまう欠点があったが、バイラテラルフィルタはエッジを保持しつつ平坦部のノイズを除去する。近年は深層学習ベースのデノイザー (DnCNN、NAFNet) が従来手法を大幅に上回る性能を示しており、Adobe の AI ノイズ除去は ISO 12800 で撮影した画像でも実用的な画質を回復できる。