色収差
読み: いろしゅうさ
レンズが光の波長ごとに異なる屈折率を持つことで、色ずれやフリンジが発生する光学的欠陥。軸上色収差と倍率色収差の 2 種類に大別される。
色収差 (Chromatic Aberration, CA) は、ガラスの分散特性により光の波長ごとに屈折角が異なることで生じる光学的な欠陥である。白色光がレンズを通過する際、短波長 (青) は長波長 (赤) より強く屈折するため、各色の焦点位置がずれる。結果として画像にはコントラストの高いエッジ部分に色フリンジ (紫や緑の縁取り) が現れる。
色収差は発生メカニズムにより 2 種類に分類され、それぞれ異なる補正手法が必要となる。
- 軸上色収差 (縦色収差): 光軸方向に各波長の焦点位置がずれる現象。開放絞りで顕著になり、ピント面の前後に紫と緑のフリンジが現れる。絞りを 2-3 段絞ると軽減される
- 倍率色収差 (横色収差): 画面周辺部で各波長の結像倍率が異なることで発生する。画面中央では目立たず、周辺に向かうほど色ずれが大きくなる。絞っても改善されない
- 光学的補正: 異常分散ガラス (ED ガラス、蛍石) や色消しレンズ (アクロマート、アポクロマート) を使用して波長間の焦点差を最小化する。APO 設計のレンズは 3 波長以上で色収差を補正する
- デジタル補正: RAW 現像時にレンズプロファイルを適用し、倍率色収差を各チャンネルの拡大率調整で除去する。
RとBチャンネルをGチャンネルに合わせてスケーリングする手法が一般的である
コンピュータビジョンではカメラキャリブレーション時に色収差パラメータも推定し、画像処理パイプラインの前段で補正を適用する。天体写真や建築写真など高コントラストのエッジが多い被写体では、色収差の影響が特に目立つため入念な補正が求められる。