ガンマ
読み: がんま
入力信号と出力輝度の非線形な関係を表す指数値。ガンマ補正により人間の視覚特性に合わせた自然な明暗表現を実現する。
ガンマ (gamma) は、画像データの数値と実際にディスプレイが出力する輝度の間の非線形な関係を定義する指数パラメータである。CRT モニターは入力電圧に対して輝度が約 2.2 乗のべき乗関係で応答する物理特性を持っており、この特性を補正するためにガンマ補正 (gamma correction) が導入された。現在の LCD や OLED ディスプレイも互換性のためにこの慣習を引き継いでいる。
- ガンマエンコーディング: カメラやスキャナーが取得したリニアな光量データに対し、ガンマ値 (通常 1/2.2 ≈ 0.45) のべき乗変換を適用して保存する。人間の視覚は暗部の変化に敏感なため、この変換により 8 ビットの限られた階調を知覚的に均等に配分できる。リニアのまま 8 ビットで保存すると暗部にバンディング (段差) が発生する
- sRGB 規格: Web 標準の色空間 sRGB はガンマ約 2.2 を前提としている。厳密には低輝度域でリニア区間を持つ分割関数だが、実用上は 2.2 乗で近似される。PNG の
gAMAチャンクや ICC プロファイルがガンマ情報をファイルに埋め込み、異なるデバイス間での色再現の一貫性を担保する - リニアワークフロー: 3D レンダリングや VFX 合成ではリニア (ガンマ 1.0) 空間で計算を行い、最終出力時にガンマ補正を適用する。ガンマ空間のまま加算合成やライティング計算を行うと、物理的に不正確な結果 (光の加算が暗くなる、グラデーションに不自然なバンドが出る) になるためである
画像編集においてガンマ調整はトーンカーブの中間調を持ち上げたり下げたりする操作に相当する。ガンマ値 1.4 に設定すると中間調が明るくなり、0.7 にすると暗くなる。モニターキャリブレーションでは i1Display Pro などのセンサーでガンマカーブを実測し、ルックアップテーブル (LUT) で補正することで正確な色再現を実現する。