ボケ
読み: ぼけ
被写界深度外の領域に生じるぼけの美的品質を指す用語。日本語の「ボケ」がそのまま国際的な写真用語として定着した。レンズの光学特性によりボケ味が異なる。
ボケ (Bokeh) は、焦点が合っていない領域に現れるぼけの視覚的な質感・美しさを評価する概念である。日本語の「暈け」に由来する語で、1990 年代ごろから英語圏の写真コミュニティで使われるようになったとされる。単にピントが外れた状態を指すのではなく、そのぼけがどれだけ滑らかで心地よいかという美的評価を含む点が特徴である。
ボケの形状と質感はレンズの光学設計に大きく依存する。点光源のボケ (ボケディスク) の形状は、そのレンズのボケ味を読み取る手がかりのひとつである。
- 絞り羽根の影響: 絞り羽根の枚数が多いほどボケディスクの多角形の辺数が増え、円形に近づく。9 枚以上とする設計例があり、5-6 枚では五角形や六角形のボケが現れる
- 球面収差とボケ: 補正不足の球面収差はボケディスクの輝度分布に影響する。前ボケと後ボケで異なる特性を示し、後ボケが柔らかい描写を評価する見方がある
- 口径食 (ケラレ): 画面周辺部ではレンズ鏡筒による光束のケラレにより、ボケディスクがレモン型 (
cat's eye) に変形する。これを目立たせたくない場合は、絞りを 1-2 段絞ると軽減できる - 二線ボケ: ボケディスクの縁が強調されるリング状のボケ。輪郭が二重に見える描写で、好ましくないと評価されることがある。設計の古いレンズやズームレンズで見られる
コンピュテーショナルフォトグラフィでは、深度マップとカーネルシミュレーションにより、ボケ味を後処理で近似する。スマートフォンのポートレートモードは、この方式を用いた実装例として挙げられる (2026 年時点)。CG レンダリングでは絞り形状をカスタマイズし、アナモルフィックレンズの楕円ボケなども再現可能である。