JPEG
読み: じぇいぺぐ
写真やグラデーションに最適な非可逆圧縮の画像形式。DCT 変換により高い圧縮率を実現するが、再圧縮で画質が累積劣化する。
JPEG (Joint Photographic Experts Group) は、1992 年に ISO/IEC と ITU-T の合同委員会が標準化した静止画像の圧縮形式である。人間の視覚特性を巧みに利用した非可逆圧縮により、写真やグラデーションを含む画像を元データの 1/10 から 1/20 程度まで圧縮できる。30 年以上経った現在でも Web 上の写真コンテンツにおいて最も広く使われている形式であり、ブラウザ・ OS ・デバイスを問わず 100% の互換性を持つ。
圧縮の仕組みは 3 段階で構成される。まず画像を 8x8 ピクセルのブロックに分割し、各ブロックに離散コサイン変換 (DCT) を適用して空間データを周波数成分に変換する。次に量子化テーブルを用いて、人間の目が感知しにくい高周波成分の精度を落とす。最後にハフマン符号化でエントロピー圧縮を行い、最終的なファイルを生成する。
- 品質パラメータ: 0-100 の数値で圧縮率と画質のトレードオフを制御する。品質 85 で元画像の約 1/10、品質 60 で約 1/20 のファイルサイズになる。Web 用途では 75-85 が実用的なバランス点で、肉眼では劣化がほぼ判別できない
- プログレッシブ JPEG: 画像全体を低品質から段階的に描画する方式。ベースライン JPEG が上から順に表示されるのに対し、プログレッシブは全体のぼやけた像が先に表示され徐々に鮮明になる。体感的な表示速度が向上し、ファイルサイズも数 % 小さくなる傾向がある
- 色空間とサブサンプリング: RGB から YCbCr 色空間に変換し、色差成分 (Cb, Cr) を 4:2:0 でサブサンプリングする。人間の目は輝度の変化には敏感だが色の変化には鈍感であるため、色情報を 1/4 に間引いても知覚的な劣化はほとんどない
JPEG の制約として、透過 (アルファチャンネル) に非対応であること、テキストや線画ではブロックノイズやモスキートノイズが目立つこと、再圧縮のたびに画質が累積劣化する世代損失の問題がある。編集ワークフローでは中間ファイルを PNG や TIFF で保持し、最終出力時のみ JPEG に変換する運用が推奨される。