DPI
読み: でぃーぴーあい
1 インチあたりのドット数を表す解像度の単位。印刷品質の基本的な指標として使われ、Web 表示ではピクセル数が優先される。
DPI (Dots Per Inch) は、1 インチ (2.54 cm) あたりに配置されるドット (点) の数を表す単位で、主に印刷やスキャンの解像度を示すために使用される。DPI の値が高いほど、より多くのドットが密集して配置され、精細で滑らかな出力が得られる。印刷業界では画像の品質を判断する際によく参照される指標の一つである。
印刷における一般的な DPI の目安は以下のとおりである。
- 72 DPI: かつての Mac ディスプレイ基準値。画面表示には十分だが印刷には粗すぎる
- 150 DPI: 新聞印刷や大判ポスター (遠距離から閲覧) に使用される解像度
- 300 DPI: 商業印刷で標準的な目安とされる値。書籍、雑誌、名刺、写真プリントに使用される
- 600-1200 DPI: 高品質な美術印刷 (ファインアートプリント) や精密な線画の再現に使用
DPI と混同されやすい概念に PPI (Pixels Per Inch) がある。PPI はディスプレイ上のピクセル密度を指し、DPI は物理的な印刷出力のドット密度を指す。厳密には異なる概念だが、画像編集ソフトの設定画面では同義として扱われることが多い。Retina と呼ばれるディスプレイの密度は機種によって幅があり、218-264 PPI 程度の機種では通常のディスプレイ (96-110 PPI) の 2 倍前後になる。
Web 画像においては、DPI メタデータの値は HTML 上の表示サイズに影響しない (2026 年時点の主要ブラウザの挙動)。ブラウザはピクセル数のみに基づいて画像をレンダリングするため、同じ 1000x800 ピクセルの画像であれば 72 DPI でも 300 DPI でも画面上の表示は同一である。DPI が意味を持つのは、画像を物理的な寸法で印刷する場合に限られる。印刷サイズ (インチ) = ピクセル数 / DPI の関係式で物理サイズが決まる。したがって、画像編集ソフトで DPI の値だけを書き換えてもピクセル数は増えないため、同じ印刷サイズでの精細さは変わらない。印刷を前提にするなら、必要な印刷サイズと DPI から必要なピクセル数を先に決めるのが実務的である。