コンポジット
読み: こんぽじっと
複数の画像・映像素材を重ね合わせて 1 つの最終画像を生成する工程。レイヤー合成、マスク処理、色補正などを組み合わせて自然な仕上がりを実現する。
コンポジット (Compositing) は、複数のビジュアル要素を統合して単一の完成画像を作り出すポストプロダクション工程である。実写プレート、CG 素材、マットペイント、エフェクトなど異なるソースを重ね合わせ、あたかも 1 つのカメラで撮影されたかのような一体感のある映像を構築する。
合成の基本原理はアルファチャンネルを用いた透明度制御にある。Porter-Duff の合成演算が業界標準であり、Over、Under、In、Out など 12 種類の演算子で前景と背景の関係を定義する。最も一般的な Over 演算は C = Cf * αf + Cb * (1 - αf) で表される。
- ノードベース合成: Nuke や Fusion などのプロフェッショナルツールでは、処理をノードグラフとして構築する。非破壊的なワークフローにより、任意の工程を後から修正できる
- レイヤーベース合成: After Effects や Photoshop のようにレイヤースタックで管理する方式。直感的だが複雑な合成では管理が煩雑になりやすい
- マッチムーブ: 実写カメラの動きを 3D 空間で再現し、CG 素材を正確に配置する。レンズの焦点距離やディストーションも考慮する
- カラーマッチング: 異なる照明条件で撮影された素材間の色温度、コントラスト、粒状感を統一し、違和感のない合成を実現する
映画制作では 1 ショットに数十から数百のレイヤーが使用されることも珍しくない。リアルタイムコンポジットはゲームエンジンやバーチャルプロダクションでも活用され、LED ウォールと組み合わせた撮影手法が普及している。