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画像圧縮ベンチマーク 2024 - JPEG, WebP, AVIF 実測比較

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ベンチマーク手法 - 公平な比較のための条件設定

画像圧縮フォーマットの比較は、条件設定を誤ると意味のない結果になります。「AVIF は JPEG より 50% 小さい」という主張は、品質設定や画像の種類によって大きく変動するためです。本ベンチマークでは、以下の条件で公平な比較を行います。

比較基準: 同一視覚品質での比較 - 各フォーマットの品質パラメータ (JPEG の quality、WebP の quality、AVIF の CRF) を調整し、SSIM (Structural Similarity Index) が同一になるようにエンコードします。SSIM 0.95 を基準とし、各フォーマットでこの品質を達成する最小ファイルサイズを比較します。

テスト画像セット: 5 カテゴリ × 各 20 枚 = 合計 100 枚の画像を使用します。(1) 写真 (風景、ポートレート、食品)、(2) イラスト/グラフィック (フラットデザイン、グラデーション)、(3) スクリーンショット (テキスト主体、UI)、(4) 透過画像 (商品写真、アイコン)、(5) 高周波画像 (テクスチャ、細かいパターン)。

エンコーダ: JPEG は libjpeg-turbo 3.0、WebP は libwebp 1.3.2、AVIF は libavif 1.0.4 (aom エンコーダ) を使用。すべて 2024 年時点の最新安定版です。

エンコード設定: JPEG - 品質 60-95 の範囲で SSIM 0.95 を達成する値を探索。WebP - 品質 50-90 の範囲。AVIF - CRF 20-45 の範囲、Speed 6。各画像に対して二分探索で最適な品質値を決定し、SSIM 0.950±0.002 の範囲に収めます。

この手法により、「同じ見た目の品質で、どのフォーマットが最も小さいファイルを生成するか」を客観的に比較できます。

写真カテゴリの結果 - AVIF の圧倒的優位性

写真 (自然画像) は画像圧縮フォーマットが最も得意とするカテゴリです。連続的なトーンとグラデーションが多く、周波数変換ベースの圧縮が効果的に機能します。

結果サマリー (SSIM 0.95 基準、20 枚の中央値):

AVIF は JPEG の半分以下のファイルサイズで同等の視覚品質を実現しています。WebP も JPEG より 30% 以上小さいですが、AVIF との差は明確です。

画像サイズ別の傾向: 解像度が高い画像ほど AVIF の優位性が拡大します。4,000 px 幅の画像では AVIF は JPEG 比 45% まで縮小しますが、400px 幅のサムネイルでは 55% 程度にとどまります。これは AVIF のブロックサイズ (最大 64x64) が大きな画像でより効率的に機能するためです。

コンテンツ別の傾向: 風景写真 (空のグラデーション、遠景のディテール) では AVIF が特に強く、JPEG 比 42% を記録しました。一方、テクスチャの多いクローズアップ写真 (布地、木目) では JPEG 比 55% と、優位性がやや縮小します。ポートレートでは JPEG 比 47% で、肌のグラデーション表現で AVIF の予測モデルが効果的に機能しています。

エンコード時間の比較: JPEG 1x (基準)、WebP 3-5x、AVIF 15-25x (Speed 6)。AVIF のエンコード時間は明確なデメリットですが、ビルド時の一括処理であれば許容範囲です。

イラスト・スクリーンショットカテゴリの結果

イラストやスクリーンショットは、写真とは異なる特性を持ちます。シャープなエッジ、均一な色面、テキストなど、高周波成分と低周波成分が混在するコンテンツです。

イラスト/グラフィック (SSIM 0.95 基準、20 枚の中央値):

イラストカテゴリでは AVIF の優位性がさらに拡大します。JPEG はブロック境界でのアーティファクト (ブロックノイズ) が目立ちやすく、SSIM 0.95 を達成するために高い品質設定が必要です。一方、AVIF の大きなブロックサイズと高度な予測モデルにより、均一な色面を極めて効率的に圧縮できます。

スクリーンショット (SSIM 0.95 基準、20 枚の中央値):

スクリーンショットは AVIF が最も得意とするカテゴリです。テキストの鮮明さを維持しながら、背景の均一な色面を極限まで圧縮できます。JPEG 比 70% の削減は驚異的な数値です。

重要な注意点: イラストやスクリーンショットで可逆圧縮 (ロスレス) が必要な場合、PNG が依然として最も互換性の高い選択肢です。WebP ロスレスは PNG より 26% 小さく、AVIF ロスレスはさらに 10-15% 小さいですが、ブラウザ対応率を考慮すると PNG + WebP のフォールバックが安全です。

透過画像と高周波画像の結果

透過 (アルファチャンネル) を含む画像と、テクスチャなど高周波成分が多い画像は、フォーマット選択に特に注意が必要なカテゴリです。

透過画像 (SSIM 0.95 基準、アルファ含む、20 枚の中央値):

透過画像では、PNG からの移行効果が劇的です。EC サイトの商品画像 (白背景を透過にしたもの) で、1 枚あたり 500KB の PNG が WebP で 90KB、AVIF で 60KB になるケースが典型的です。100 枚の商品画像があるページでは、50MB → 6MB (AVIF) という転送量の削減が実現します。

高周波画像 (テクスチャ、細かいパターン、SSIM 0.95 基準):

高周波画像は全フォーマットにとって「難しい」カテゴリです。細かいパターンやテクスチャは予測が困難で、圧縮効率が低下します。それでも AVIF は JPEG 比 42% の削減を達成しており、他カテゴリほどではないものの明確な優位性があります。

特筆すべき発見: 高周波画像で AVIF の品質を下げすぎると (CRF 40 以上)、「スミアリング」と呼ばれるディテールの消失が発生します。これは AVIF のデブロッキングフィルターが過度に作用するためで、テクスチャ写真では CRF 25-30 に抑えることを推奨します。WebP ではこの問題は発生しにくく、テクスチャ保持の観点では WebP が有利な場面もあります。

エンコード速度とデコード速度の比較

ファイルサイズだけでなく、エンコード/デコード速度もフォーマット選択の重要な判断材料です。特にリアルタイム変換やクライアントサイドでのデコード性能は、ユーザー体験に直結します。

エンコード速度 (1,200 × 800 px 写真、同一品質基準):

AVIF のエンコードは JPEG の 20 倍近い時間がかかります。1000 枚の画像を処理する場合、JPEG なら 15 秒、AVIF (speed 6) なら約 5 分です。CI/CD パイプラインでは許容範囲ですが、ユーザーアップロード時のリアルタイム変換には不向きです。

デコード速度 (ブラウザでの表示速度):

デコード速度では AVIF は JPEG の約 2 倍の時間がかかります。1 枚あたり 10ms の差は無視できますが、画像が 50 枚以上あるページでは累積的な影響が出る可能性があります。ただし、decoding="async" を使用すればメインスレッドへの影響は最小限に抑えられます。

メモリ使用量: デコード時のピークメモリ使用量は AVIF が最も大きく、JPEG の約 1.5 倍です。モバイルデバイスのメモリ制約が厳しい環境 (低価格 Android 端末) では、大量の AVIF 画像を同時にデコードするとメモリ圧迫が発生する可能性があります。

ベンチマーク結果に基づくフォーマット選定ガイドライン

実測データに基づき、画像の種類と用途に応じた最適フォーマットの選定ガイドラインを提示します。

推奨フォーマット選定マトリクス:

コスト対効果の判断: AVIF の導入コスト (ビルドパイプラインの変更、エンコード時間の増加、フォールバック管理) を考慮すると、以下の優先順位で移行するのが効率的です。(1) 透過画像 (PNG → WebP/AVIF で最大の削減効果)、(2) ヒーロー画像/LCP 画像 (LCP 改善に直結)、(3) 写真全般 (量が多いため累積効果が大きい)、(4) イラスト/スクリーンショット (既に WebP で十分な場合は優先度低)。

最終的な判断は、自サイトの画像構成とユーザーのブラウザ分布に基づいて行ってください。AVIF 対応率が 90% を超えるユーザーベースであれば、全面的な AVIF 移行が正当化されます。

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