キーイング
読み: きーいんぐ
映像や画像から特定の要素を抽出するためにマスク (キー信号) を生成する処理の総称。色差キー、輝度キー、差分キーなど複数の手法が存在する。
キーイング (Keying) は、映像素材から前景と背景を分離するためのマスク信号 (キー) を生成する技術の総称である。生成されたキー信号はアルファチャンネルとして機能し、合成 (コンポジット) 工程で前景の透明度を制御する。VFX パイプラインにおいて、正確なキー抽出は最終的な合成品質を決定づける最重要工程の一つである。
キーイングの手法は抽出に利用する情報源によって分類される。実務では複数の手法を組み合わせ、それぞれの長所を活かしたハイブリッドアプローチが一般的である。
- クロマキー (色差キー): 特定の色相範囲を検出してキーを生成する。グリーンバックやブルーバック撮影で使用され、
ΔE(色差) の閾値でマスク境界を決定する - ルミナンスキー (輝度キー): 明るさの値に基づいてキーを生成する。白背景や黒背景の素材に有効で、ハイライトやシャドウの抽出にも応用される
- 差分キー: 背景のみの参照フレームと被写体ありのフレームの差分からキーを生成する。固定カメラの監視映像や定点撮影で効果的である
- IBK (Image Based Keying): Nuke 標準のキーイング手法で、クリーンプレートを推定してピクセル単位の精密なキーを生成する
高品質なキーイングには、コアマット (確実に前景の領域) とソフトエッジ (半透明の遷移領域) の 2 段階で処理することが重要である。髪の毛や煙のような複雑なエッジでは、エロージョンとダイレーションを組み合わせたマット処理が必須となり、最終的な合成品質を大きく左右する。