可逆圧縮

読み: かぎゃくあっしゅく

圧縮後のデータから元データをビット単位で完全に復元できる圧縮方式。画質を一切損なわずにファイルサイズを削減する基盤技術。

可逆圧縮 (Lossless Compression) は、圧縮されたデータを展開 (デコード) した際に、元のデータとビット単位で完全に一致するデータを復元できる圧縮方式である。情報の損失が一切発生しないため、品質を犠牲にせずファイルサイズを削減できる。データの完全性が求められるあらゆる場面で使用される基盤技術である。

画像の可逆圧縮で使用される主要なアルゴリズムは以下のとおりである。

画像の可逆圧縮で使われる主要アルゴリズム
アルゴリズム仕組み主な採用先
DeflateLZ77 スライディングウィンドウとハフマン符号化の組み合わせPNG (zlib ライブラリとして広く実装)
LZW入力データから動的に辞書を構築し、繰り返しパターンを短い符号に置き換える辞書式GIF、TIFF
ランレングス符号化 (RLE)同一値の連続を「値 x 繰り返し回数」で表現する最も単純な手法BMP の圧縮オプション、ファクシミリ通信
エントロピー符号化データの出現頻度に基づいて可変長符号を割り当てる。算術符号化は理論限界に近い圧縮率を達成するJPEG 2000、AVIF の可逆モード

可逆圧縮の圧縮率は画像の内容に大きく依存する。単色の広い領域やパターンの繰り返しが多い画像 (スクリーンショット、図表、ロゴ) では 50-80% の削減が得られるが、写真のように色の変化が複雑な画像では 10-30% 程度にとどまる。非可逆圧縮と比較すると圧縮率は大幅に低い。

可逆圧縮が不可欠な用途として、医療画像 (DICOM)、科学観測データ、法的証拠としての画像、印刷用の高品質マスターデータがある。また画像編集ワークフローにおいて、編集中の中間ファイルを可逆形式で保存することで、繰り返し保存による世代劣化を完全に防止できる。

圧縮方式によるファイルサイズの違いは、ブラウザ内で完結する画像圧縮ツールで確認できる。出力形式として可逆の PNG と非可逆の JPG・WebP を選べるため、同じ画像での圧縮率の差を比較しやすい。

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