アンチエイリアス
読み: あんちえいりあす
画像やテキストの斜線・曲線部分に生じるジャギー (階段状のギザギザ) を、中間色の補間で滑らかに見せる描画技術。
アンチエイリアス (Anti-aliasing) は、ラスター画像において斜線や曲線の境界に発生するエイリアシング (ジャギー) を軽減する技術である。ピクセルの格子構造では斜めの線を完全に滑らかに表現できないため、境界付近のピクセルに中間色を配置することで、人間の目には滑らかに見える錯覚を生み出す。たとえば黒い斜線が白い背景上にある場合、境界のピクセルにグレーの中間色を割り当てることで、遠目には滑らかな線として知覚される。
- スーパーサンプリング (SSAA): 表示解像度の 2x や 4x でレンダリングし、複数サンプルを平均化して最終ピクセル色を決定する。4x SSAA なら 1 ピクセルあたり 16 サンプルを計算するため品質は最高だが、GPU 負荷も 16 倍に跳ね上がる
- マルチサンプリング (MSAA): ポリゴンのエッジ部分のみを複数サンプルで処理し、内部のシェーディングは 1 回で済ませる手法。4x MSAA は SSAA の約 1/4 のコストで同等のエッジ品質を実現するため、リアルタイム 3D ゲームの標準となっている
- サブピクセルレンダリング: LCD パネルの RGB サブピクセル配列を利用し、テキストの見かけ上の水平解像度を約 3 倍に引き上げる技術。Windows の ClearType がこの代表例で、特に小さなフォントサイズでの可読性が大幅に向上する
- FXAA / TAA: ポストプロセス型のアンチエイリアス。レンダリング後の画像に対してエッジ検出とぼかしを適用する FXAA は軽量だがテクスチャがぼやけやすく、時間的な情報を利用する TAA はより高品質だがゴースティングが発生しうる
Web 開発では CSS の -webkit-font-smoothing: antialiased や Canvas API の imageSmoothingEnabled でアンチエイリアスの挙動を制御できる。画像編集ソフトでは選択範囲やブラシのエッジにアンチエイリアスを適用するかどうかを選択でき、ドット絵のように意図的にジャギーを残す表現もある。Retina ディスプレイの普及により物理解像度が十分に高い環境ではアンチエイリアスの必要性が低下するが、通常解像度のモニターでは依然として不可欠な技術である。