フーリエ変換
読み: ふーりえへんかん
画像を空間周波数成分に分解する数学的手法。低周波は滑らかな領域、高周波はエッジやノイズに対応し、周波数フィルタリングの基盤となる。
フーリエ変換 (Fourier Transform) とは、画像の空間的なピクセル値の変化を周波数成分に分解する数学的手法である。画像を「どの周波数の波がどの程度含まれているか」という周波数領域の表現に変換することで、空間フィルタリングでは困難な処理を効率的に実現できる。
画像処理では 2 次元離散フーリエ変換 (2D DFT) を使用する。
- 低周波成分: 画像の大域的な明るさの変化、滑らかなグラデーションに対応する
- 高周波成分: エッジ、テクスチャの細部、ノイズに対応する
- 振幅スペクトル: 各周波数成分の強さを示す。中心が低周波、外側が高周波
- 位相スペクトル: 各周波数成分の位置情報を保持する。画像の構造を決定する重要な要素
周波数領域でのフィルタリング例を示す。
- ローパスフィルタ: 高周波を除去してぼかし効果を得る。理想フィルタ、バターワースフィルタ、ガウシアンフィルタなど
- ハイパスフィルタ: 低周波を除去してエッジを強調する
- バンドパスフィルタ: 特定の周波数帯域のみを通過させる。周期的ノイズの除去に有効
- ノッチフィルタ: 特定周波数のみを除去する。モアレパターンの除去に使用
計算には高速フーリエ変換 (FFT) アルゴリズムを使用し、N×N 画像に対して O(N² log N) で処理できる。NumPy の np.fft.fft2() や OpenCV の cv2.dft() で実装可能である。畳み込み定理により、空間領域での畳み込みは周波数領域での要素ごとの乗算に等しく、大きなカーネルでの畳み込みを高速化できる。