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画像のアクセシビリティ - alt テキストの書き方とコントラスト比の基準

· 約 9 分で読めます

なぜ画像のアクセシビリティが重要なのか

Web 上の画像は視覚に依存するコンテンツであり、視覚障害のあるユーザーはスクリーンリーダーを通じて画像の内容を理解します。適切な代替テキスト (alt テキスト) がない画像は、これらのユーザーにとって「存在しないコンテンツ」と同じです。WHO の統計によると、世界で約 22 億人が何らかの視覚障害を持っており、Web アクセシビリティは少数派への配慮ではなく、大規模なユーザー層への対応です。

法的な観点からも、画像のアクセシビリティは重要性を増しています。日本では 2024 年 4 月に改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されました。Web サイトのアクセシビリティ不備が「合理的配慮の不提供」と判断されるリスクがあります。米国では ADA (Americans with Disabilities Act) に基づく Web アクセシビリティ訴訟が年間数千件発生しています。

SEO の観点でも、alt テキストは画像検索のランキング要因です。Google の画像検索アルゴリズムは alt テキストを主要なシグナルとして使用しており、適切な alt テキストは画像検索からのトラフィック獲得に直結します。アクセシビリティと SEO は対立するものではなく、正しい alt テキストは両方の目的を同時に達成します。

alt テキストの基本ルールと記述パターン

alt テキストの記述には明確なルールがあります。WCAG 2.1 のガイドラインに基づく基本原則を理解し、画像の種類に応じた適切な記述パターンを使い分けましょう。

基本ルール:

画像の種類別パターン:

alt 属性自体を省略する (<img src="...">) のと、空の alt を設定する (<img src="..." alt="">) は全く異なります。前者はスクリーンリーダーがファイル名を読み上げてしまい、ユーザー体験を著しく損ないます。装飾画像でも必ず alt="" を明示的に設定してください。

コンテキストに応じた alt テキストの最適化

同じ画像でも、使用されるコンテキスト (文脈) によって最適な alt テキストは異なります。画像が「何を伝えるために配置されているか」を考え、その目的に合った記述をすることが重要です。

例えば、犬の写真が使われる場面を考えてみましょう:

EC サイトの商品画像では、商品名だけでなく色・サイズ・素材など、購買判断に必要な視覚情報を含めます。「赤いドレス」ではなく「ワインレッドのシルクロングドレス、V ネック、膝下丈」のように具体的に記述することで、視覚障害のあるユーザーも商品を正確にイメージできます。

グラフや図表の場合、alt テキストだけでは情報を十分に伝えられないことがあります。その場合は aria-describedby 属性で詳細な説明テキストを関連付けるか、図表の直後にデータテーブルを配置して同等の情報をテキストで提供します。

画像のコントラスト比と WCAG 基準

画像内のテキストや重要な視覚要素には、十分なコントラスト比が求められます。WCAG 2.1 では、テキストのコントラスト比について以下の基準を定めています:

これらの基準は HTML テキストだけでなく、画像内に含まれるテキストにも適用されます。バナー画像、インフォグラフィック、OGP 画像などに含まれるテキストが背景とのコントラスト不足で読みにくい場合、アクセシビリティ基準を満たしません。

WCAG 2.1 の「非テキストコントラスト」(達成基準 1.4.11) では、UI コンポーネントや意味のあるグラフィック要素にも 3:1 以上のコントラスト比が求められます。例えば、グラフの線や棒、アイコン、フォームの境界線などが対象です。

コントラスト比の検証ツール:

装飾画像と背景画像の適切な処理

すべての画像に alt テキストが必要なわけではありません。純粋に装飾目的の画像は、スクリーンリーダーに無視させることで、ユーザーの情報過多を防ぎます。装飾画像の判断基準は「この画像を削除しても、ページの情報や機能が損なわれないか」です。

装飾画像の処理方法:

判断に迷うケースとして、「雰囲気を伝える写真」があります。例えば、カフェの紹介ページに掲載された店内写真は装飾ではなく情報です。「木目調のカウンターと暖色の照明が特徴的な落ち着いた店内」のように、その写真が伝える雰囲気を言語化して alt テキストに設定します。

アイコンフォント (Font Awesome など) を使用する場合も注意が必要です。アイコンが単独で意味を持つ場合 (例: ゴミ箱アイコンの削除ボタン) は、aria-label="削除" を設定します。テキストラベルと併用する場合は aria-hidden="true" でアイコンを隠し、テキストだけをスクリーンリーダーに読ませます。

画像アクセシビリティの自動テストと継続的改善

画像のアクセシビリティを手動で確認し続けるのは現実的ではありません。自動テストツールを CI/CD パイプラインに組み込み、問題を早期に検出する仕組みを構築しましょう。

自動テストで検出できる問題:

推奨ツール:

自動テストでは検出できない問題もあります。alt テキストの「質」(適切な記述かどうか) は人間の判断が必要です。定期的なアクセシビリティレビューを実施し、スクリーンリーダーで実際にページを操作して、画像の情報が正しく伝わるかを確認することが重要です。VoiceOver (macOS/iOS) や NVDA (Windows) を使った実機テストを、リリース前のチェックリストに含めましょう。

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